新生活の節目にはんこ

住居を移る際、転居先を決めて不動産契約を結びます。その際に必ず必要となる印鑑が実印です。契約を結ぶ側、不動産屋は本人であることの証明に、この印鑑の提示を求めてきます。場合によっては信頼に足りる姿勢を要求することもあります。実印のほか印鑑証明を一緒に、という場合もときにはあるでしょう。

また、毎月の家賃を引き落とす銀行口座の銀行印も求められることもあります。日本で新たに生活を始めるのであれば、まずは実印の製作依頼と印鑑証明の取得が必須となります。サインで済ませることができる外国とは大きく異なる点です。偽造が筆跡により簡単に見破れることが採用の理由ですが、それは印鑑にも言えることで、持ち歩く手間が厄介で面倒だという人は少ないです。持参を求められていたのに家においてきた、いざ使用するときに限り、手元にはない、このようなケースはまれでしょう。誰しもが自分の印鑑は家に保管をしているものです。印鑑ならびに印鑑証明を製作、取得した暁には保管場の確かな記憶と定期的に通じていなくてはならない、といえるでしょう。

手軽に作られるものから高価なものまで、一生に一度の買い物は価格そして材質も大きく幅を持たせて販売されます。市場は実に細々としているものの、はんこという文化が根強く暮らしに絡む現状を観察するに、おいそれと容易く変容を遂げて、来年度よりサインに統一します、という事態は考えにくいです。ちなみに実印の印鑑登録は未成年でも可能で、十五歳以上であれば保護者の同伴なしに一人で行えます。それだけ社会を生きる若い一人の者にも関わりを強制する、密接な関係がここからも窺えるでしょう。